花束を君に/韓国清州だより

2010年~韓国在住。夫(韓国人)と子ども3人(長女2010年生/次女2012年生/長男2014年生)私の母との6人暮らしin清州。

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光州アジア創作スタジオへ行ってきました。

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11月26日(月)、光州のアジア創作スタジオに夫の仕事に同行して来ました。

 

夫は清州の美術機関に勤務しているのですが、

この度、光州のアジア創作スタジオから職場に、入居作家への批評の依頼が来ました。

その中に日本人の作家の方もいらしたので、私もその通訳に行って来ました。

 

光州は韓国の下側に位置した都市です。私は光州は初めてでしたが、「光州ビエンナーレ」で名前を聞いた事がありました。

 

国立のアートスタジオ「光州アジア創作スタジオ」

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このアジア創作スタジオとは、国立アジア文化の殿堂(ACC)、アジア文化院(ACI)などと同じ敷地内に作られたアートスタジオだそうです。

 

韓国のアートスタジオは運営している所が様々で、民間ギャラリーが運営しているところもあれば、清州市立美術創作スタジオのように市や地区が運営しているところもあり、

中でもこの光州のアートスタジオは国立だと事前に聞いていました。

 

最後になって分かりましたが、さすが国立、今回のプログラムにも入居作家のみならずその作家の元々滞在しているアートインレジデンシィのキュレーターも別の国から招かれているなど、

通常のアートスタジオの予算ではなかなか企画出来ないプログラムでした。

 

入居作家への批評

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夫から聞いていたのは夫の批評の担当は5名(韓国人作家4名+日本人作家1名)だという事でした。各部屋1人ずつ入居作家の作品空間があり、そこを夫が訪問しながらまわっていきます。

 

作家からは作品やコンセプトなどの説明があり、夫からの批評や質問があり、全て合わせて、約30分の目安で行われました。

 

夫の担当はほぼ韓国人作家だったので、その間、私の役目は何もありませんでしたが、

日頃はなかなか見ない夫の批評や、また久々にギャラリートークを目の当たりにし、とても刺激になり、面白い機会でした。

 

各作家の作品&部屋の様子

各部屋に、参加している元のアートスタジオ名、その下にそこのキュレーターと美術作家の名前が表示されていました。

⓵<호랑가시나무창작소(광주)>
  큐레이터(キュレーター) 정헌기
  작가(作家) 김승택

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部分的な話の中に聞き取った範囲ですが、この作家の方の場合は、「移り行く韓国の風景」といった事をテーマとしているようでした。

 

緻密でかつ圧倒的な表現で、言葉が通じない場合でも作品の訴える力は強いように感じました。

 

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廊下には、どこかの作家の作品なのか、花のようなオブジェが並べられていました。

次の作家の部屋・2階へ移動。

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②<호랑가시나무창작소(광주)>

  큐레이터(キュレーター) 정헌기
  작가(作家)천영록

 

こちらも元のアートインレジデンシィは同じところの方でした。

同じ光州市内のレジデンシィです。

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この作家の方の話によると、このような作品を作り始めた経緯は雪だったそうです。

 

夫からは「作品の画面から発される力が十分にあるので、作品の説明はされなくても、むしろ作品題名はナンバーだけでも良いのでは」と言ったアドバイスがあっていました。

 

夫は10年程清州市立美術創作スタジオにいた経験から、

作品だけでなくポートフォリオ(作品ファイル)も熱心にながめつつ、あらゆる方向からアドバイスをしていました。

 

wakuwork.jp

 

⓷<3331 아트 치요다(3331 Arts Chiyoda )>

       큐레이터(キュレーター)히로유키 키무라(ひろゆき きむら)
  작가(作家)요시히로 이나다(よしひろ いなだ)

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ここが日本人作家のいなだよしひろさんの部屋でした。

(今回、私が来たのはまさにこの通訳の為だった事、また作品が映像だったという事で、写真を撮れずご紹介出来なかったのが申し訳ないです)

 

今回の作品の為に、いなださんはソウル梨泰院のナイトクラブを取材したそうです。

音楽と映像、時間を結び付けた空間が非常に印象的な作品でした。

 

レセプションの会場にあったいなださんの作品もここに載せておきます。

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いなださんは「東京芸大出身の方」と伺っていたので、近くに寄りづらい方かもしれないとか、難解な説明ばかりだったらどうしようとか、内心かなりひやひやしていたのですが、

 

お会いしてみると、非常に物腰の柔らかい方でお話しやすく助かりました。

拙い通訳で申し訳なかったです。ありがとうございました!

 

また、今回初めて知った、この日本の「3331 Arts Chiyoda」というレジデンシィでしたが、東京のど真ん中である千代田という場所を活かした興味深いレジデンシィだなと思いました。

キュレーターきむらさんとも、時間があればもっと色々お聞きしたかったです。

(下に「3331 Arts Chiyoda」のリンクを貼っておきます)

 

www.3331.jp

 

④<담빛예술창고>

       큐레이터(キュレーター)김옥향
  작가(作家)김설아

続いて同じ二階のキムソラさんの部屋へ。

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描く線からなる表情が美しい作品でした。

家に到着後、頂いたパンフレットを見て分かりましたが、去年、横浜のアーティスト交流プログラムに参加されていたようです。

 

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⑤<국립현대미술관 고양레지던시(서울/고양)>

       큐레이터(キュレーター)김민지
  작가(作家)고재욱

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ちょっとこの時には私は席を外しておりまして、話は聞けませんでしたが、洗練された作品でした。

 

他の部屋の様子など

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今回のプログラム「2018ACC空間ネットワークレジデンシィ」

このプログラムは、作家だけでなく、元の入居先のレジデンシィのキュレーターも参加するもので、韓国だけでなく海外(日本・ベトナムバングラデシュほか)からも招待という、なかなか規模の大きいものでした。

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レセプション

4時からのレセプションにちょっと顔を出した後、私たちは先に失礼しました。

バングラデシュの大使館の方も出席されていました。

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最後に

個人的に、非常に興味深く刺激になった今回の同行でした。

皆様、色々とありがとうございました。

 

(おまけ)

本来、招待された批評家たちに渡される寄贈品を追加で私にまで頂いてしまいました。

イッセイミヤケのバック。

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