今回は、先日アップした
「韓国の今日の宗教について①」の続きです。
本当は今回書くこちらの1記事分でまとめる予定だったのですが、
長年、自分の中で積もりに積もった
「韓国の宗教の『怪しい感じ』への思い」を書いていたら、
1記事ではとてもまとめられなくなりました(笑)
韓国の今日の宗教について
まず、タイトルの通り「韓国の今日の宗教について」。
一旦、宗教の全体的なところをまとめてみます。
現代の韓国では、
仏教、キリスト教(カトリック・プロテスタント)、天道教、イスラム教などの宗教があります。
(なお、韓国では儒教のイメージがあり有名ですが、
儒教は宗教というより日常的なものとなっているので、ここでは内容から外します)
韓国ギャラップの宗教調査によると、
満18歳以上の韓国人の約50%が自身の信じる宗教があるそうです。
①仏教 22%
②キリスト教(기독교)
プロテスタント(개신교 )21%
カトリック(가톨릭)7%
③無宗教 50%
とされています。
この表を見ると、思ったより
キリスト教(기독교/プロテスタント、新興宗教、その他全て含んだもの)の割合が少ない気がするのですが、
おそらくこの調査では、実際に反映されていないものも多いのかと思われます。
※なお、表や内容については
「社会統合プログラム」の教科書「한국사회이해(기본)/韓国社会理解(基本)」(2019年改定)を参考にしています。
キリスト教(기독교)と教会(교회)、そして名前の違い
さてここからが前回の記事の続きとなります。
「キリスト教(기독교)」
「教会(교회)」
正規のプロテスタントも新興宗教も同じように言葉を表現する為、非常に違いが分かりづらいのですが、
韓国在住日本人の知り合いでプロテスタントの方に聞いた話だと、
「プロテスタントの場合は、大抵、
教会(교회)の名前の前に、教団名が入っている」
そうです。
例えば、
○대한예수교장로회(大韓イエス教長老会)
○한국기독교장로회(韓国キリスト教長老会)
○기독교대한성결교회(クリスチャンのホーリネス教会)
○구세군(救世軍)
○기독교대한감리회(クリスチャンの監理会)
などなど
なおカトリックについては、
「教会の名前に大抵聖人の名前が入っている」そうです。
ただ、カトリックの場合は、その他、
☆「教会(교회)」ではなく「聖堂(성당)」
などという言葉をよく使うので、
日頃の会話からでも、割と分かりやすいです。
キリスト教(기독교)と異端(이단)
韓国の普通のキリスト教の方からすると、
新興宗教やその他は「異端(이단)」と言われるようです。
「 『기독교』 『이단』で検索すると、
まとめて解説してくれる記事が出て来る」
とも、今回教わりました。
(しかしこういった宗教についての事を検索して、
しっかり解説する記事が出てくるあたり、
いかにも韓国っぽい、、)
なお、それで
普通の教会から異端とされている新興宗教としては、以下の名前が挙がっていました。
(1)신천지 /新天地
(2)하나님의 교회 (안상홍 증인회)/神の教会
(3)여호와의 증인 /エホバの証人
(4)몰몬교 /モルモン教
この中で(1)新天地(2)神の教会あたりが特に要注意のようです。
< 하나님의교회/神の教会 >
「하나님의교회(神の教会)」というのは、別名「어머니회(母の会)」とも言うようです。
私も、近くにいる知り合いの中国人から
「子どもの友だちの親が『母の会』の人で、非常に言動や考え方が変わっている」
という話を聞いた事があります。
小さい子がいるお母さんだと、特に하나님의교회に狙われやすいそうです。
道端で声をかけてきて、やたらと「어머니」を強調してくる人達がいたら、ここだそうです。
韓国語「サイビ(사이비)」
つい最近、
「ケン(韓国ブロガー・海外在住日本人)」さんが韓国の宗教について以前に書かれた記事を読んで
初めて知ったのですが、
韓国語で「사이비(サイビ)」という言葉があるようです。
ケンさんの記事によると
「サイビとは、韓国語で사이비、漢字で似而非と書いて、本物と似て非なるものという意味です」
とされています。
どうやら、このサイビ宗教というのが韓国には多く注意が必要だとの事です。
詳しくはどうぞこちらの記事をお読みください。
(リンク掲載については、ご本人の了解を頂いています)
また、ケンさんに「異端(이단)」と「サイビ(사이비)」の言葉の違いについて伺ったところ、
以下のように説明してくれました。
(ご多忙な中、ありがとうございました!)
異端:既存の宗教に対して教理の解釈の違いによって分かれるグループ
サイビ:宗教の名前を使って不道徳な行為を正当化しながら、社会に悪影響を及ぼすグループ
こういう時に外国人は難しい
こういう時に改めて思うのは、
「他の国で生きる外国人は大変」ということです。
特に宗教というのは、
精神性、地域性、ビジネスその他、
様々なところでその国に非常に密接に関わる事が多く、
特に時には政治にも関与する力がありますが、
国民性、文化その他も理解しようと必死な外国人が、
宗教(特に新興宗教)に対しどう対処していけば良いのか、どう注意が必要かを読み取るのは、
なかなか難しいものがあると改めて感じます。
それでも、韓国では宗教についてまだオープン(良いか悪いかは別として)として、
逆に日本在住外国人のような場合は、
国民性も複雑な日本人社会の中で宗教に対してはデリケートな部分があり、
より難しいだろうなと思いました。
今回のまとめ
新天地教会については、韓国の宗教の問題を考える上では、
ある意味で氷山の一角かもしれません。
今回はたまたま、ある意味で分かりやすく表に出てしまったが故に注目を浴びてますが、
元々、韓国の政治と宗教が「持ちつ持たれつ」で結びついているところも多いそうで、
今回の件以外にもまだ色々な問題があるのだろうと思います。
そういった意味では今回「韓国の宗教について」というタイトルでまとめた割には不十分な部分も多いかと思いますが、
あくまでも私が現時点でようやく少し自分なりに整理出来たという事で書いたもの、
どうぞご容赦ください。
(このあたりは、掘り下げれば掘り下げる程深くなる内容で、本格的に書けば大学の修論くらいのテーマになってしまう気がします)
私としては、
外国人でやりづらい面は多々あるものの、
子どもを守る為には
強くなり、情報もきちんと知っておかねばと
改めて決意する次第です。